甲状腺機能低下症

甲状腺疾患とは
甲状腺は、喉元にある蝶の形をした小さな臓器で、甲状腺ホルモンを分泌します。
甲状腺ホルモンは、成長発育や生殖機能を促す大切なもので、循環器の働きを盛んにし、生命に必要な熱をつくるなど、体中の細胞活動を活性化させる大事な役割を果たしています。東洋医学的にみると「気」や「熱」の働きを促しています。
甲状腺疾患とは、このホルモンの分泌が少なくなって、「橋本病」と呼ばれる甲状腺機能の低下や、逆に盛んになり過ぎる甲状腺機能亢進症である「バセドウ病」とに分けられます。東洋医学的には、機能低下症では「気虚」や「陽虚」の要素が関係し、機能亢進症では「気滞」や「陰虚」の要素が関係しています。
甲状腺から分泌される甲状腺ホルモンや甲状腺をはたらかせるために視床下部から分泌される甲状腺刺激ホルモンの量は血液検査で簡単にわかるようになりました。このことから、甲状腺の疾患はかなりの精度でその様子を把握することができます。
西洋医学の治療としては、足りない甲状腺ホルモンを補ってあげる薬と、過剰な甲状腺の働きを抑えてあげる薬があり、また甲状腺種の場合は手術を施します。
ただ、西洋医学の治療は、各人が持つ体質に働きかけるものではなく、表面上の症状を緩和させる「標治治療」です。これに加えて漢方薬を用いた「本治治療」も行うなど、体質改善をしながら根本的に治していきたいものです。
甲状腺機能低下の漢方的な考え方
甲状腺機能低下症は、ホルモンの低下によって、冷え、疲れ、むくみや高脂血症が起きます。また、脱毛や貧血といった症状が加わります。さらには、無気力、体重増加、動作緩慢、便秘、皮膚の乾燥、息切れ、月経過多などの症状が見受けられます。
このような症状は、東洋医学的には生命活動の低下が背景にある「陽虚」の証になります。腎に関わる障害が生じた結果、脾の働きも低下し水の動きが悪くなります。むくみが典型な症状です。
脾の吸収や合成の働きが低下するので、糖の吸収障害、蛋白の合成や分解の低下、脂質代謝障害による血中コレステロールや脂質の上昇、貧血などが生じます。
精神活動の低下もみられますので、「心」の働きにも影響が及んでいます。
下垂体機能低下や視床下部ホルモンの異常による機能低下の場合は、甲状腺そのものの働きには異常がないのですが、上からの指令がこないために甲状腺がはたらいていない状態です。東洋医学的にみれば「心」の異常として位置づけることができます。
橋本病と言われる「慢性甲状腺炎」は甲状腺に慢性的な炎症が起きて、甲状腺が硬くなってホルモンをつくれなくなり甲状腺機能低下になる病気です。免疫機能の異常が関係していて、自分の体の一部を異物と誤認して攻撃破壊してしまう自己免疫疾患の一つで、東洋医学的にいえば「腎」の免疫作用と関係します。
腎の「陰虚」としてとらえます。
このようにいくつかの病気の種類が含まれますが、治療においては、「腎」にある陽気を盛り立て、「脾」や「心」の働きを盛んにさせるように配慮します。
甲状腺機能低下の漢方薬
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