不眠症

不眠症とは
睡眠は、活動によって消耗した体を回復させ修復する機能です。活動が過剰になれば疲れて眠くなることは、この機能が健全に働いている証拠です。
不眠症とは、床に伏しても眠りに入れず、眠ったとしても眠り続けることができない状態をいいます。西洋医学的には、精神障害ととらえ睡眠薬が用いられますが、依存症に注意をしてください。
不眠症の東洋医学的な考え方
東洋医学では、陰陽の障害で不眠をとらえます。「陽」は活動や興奮の性質をもち、「陰」はこれらを鎮めるもので、睡眠は陰の活動に属します。
陽や陰は、自然現象の中で互いに制御し合います。例えば陽が強くなり過ぎてくると、弱まった陰が力を発揮して陽が弱まってきます。陰が強くなり過ぎると陽の力で陰が弱まってきます。アナログの波を描きながら、陰陽は常に変化を繰り返しています。
昼間の活動である陽が過剰になると、夕方には陽の勢いを抑えるために陰が台頭し、そろそろ休もう、夕ご飯食べてお風呂に入って、さあ寝ましょうとなってきます。眠くなるのは陰の自然な要求なのです。
この陰陽の働きを調節する部署は、大脳の機能と関係の深い「心」です。東洋医学では、私たちの体を小宇宙とみなします。「心」は太陽の位置づけです。
昼間は体内の働きを陽の気によって活発にさせ、元気な行動を促します。夜になると「心」の陽気は活動を弱めてきますので、体の働きもゆっくりとしてきます。陽気の動きが止まった状態が睡眠です。そして、陰の充実した気が睡眠によって「心」にもたらされると、日中働いた心の機能が回復し翌朝の快い目覚めにつながってきます。
この太陽を中心とした小宇宙で起こるリズムが、自然界の朝・昼・夕・夜のリズムと一致してくると、体の働きは理想的な状態に保たれます。
陰陽のバランス崩れの不眠症
陰陽のバランスが崩れて不眠になるタイプは、2つあります。
―つめは、陰が主役となるときに陽が旺盛なタイプです。元気が有り余って寝付けない不眠症です。睡眠時にほてりや喉の渇きを感じることが多いです。昼間の活動が床に入っても冷めきれずに、興奮してイライラが消えない感じです。証では、気が停滞している「気滞」の状態です。
強い陽の気を流していく対策が有効です。
もう一つは、陰が弱すぎることにより陽が優勢になってしまうタイプです。陽が陰に役割を譲りたくても、陰の力が足りないので陽が居残ってしまう不眠症です。体は疲れを感じているのに眠くならないとか、寝ても途中で目が覚める浅い眠りになることが特徴です。体に潤いがなく、貧血気味で前進がだるい感じになります。証では血や水が不足する「血虚」や「陰虚」の状態です。
楽しい気分やゆったりとした「心」の陰を増やしましょう。
陰を動かす力がないと不眠症に
充実した陰があっても、心に運べないがために不眠になるケースがあります。
一つは、陰を動かす陽の力が足りないことが原因で起こる不眠症です。
陰は重い物質で自力では、心(脳も含む)に届かないので、上に向かう力を持つ陽の力を借りて行動します。ところが、生まれ持っての精がたりず、又は食事から精を取り込みづらいタイプは、陽が少なく、陰を運ぶ力が不足しています。いわゆる「陽虚」タイプです。
眠いけれどなんとなく眠りに入れない、トイレが近い、下半身が冷えるといった症状がある不眠が特徴で、精が減少する高齢者に多いのも特徴です。
対策としては、体を冷やさないことです。昼間の適度な運動も効果的です。
もう一つは、胃腸が弱く、腹部に水がたまって陰が滞ってしまう人の不眠です。気が少ない「気虚」や水が滞る「湿痰」にみられます。このタイプの場合、陰を脳に運べない理由が胃腸や胃腸に関係する脾の障害にあります。脾は、陽の気を巡らすエンジンですので、ここが弱ければ陰気を持ち上げることもできません。
日中は体を使い、夕方からは照明を落としのんびりとした気分で過ごすことが有効です。
不眠症に有効な食材
なるべく薬に頼らずに不眠症を解決する方策を取りたいものです。そこで、不眠症に有効な食材を列挙します。料理の食材として、活用してください。
陽が強く気を静める食材
牡蛎、アロエ、小麦、苦瓜、青梗菜(チングンサイ)なす、薄荷(ミント)、みょうが、セロリ、せり、あさり、かに、クラゲ、バナナなど
苦味系の食品には熱を冷ます作用があります。
「陰虚」で潤いを増やす食材
不眠症の漢方薬
不眠症に有効な漢方薬をご案内します。
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