咳、喘息に効く漢方薬!どれを選べばいいの?

基準となる漢方薬
まずは、国がお墨付きを与えている咳に有効な漢方薬をご紹介します。厚生労働省が定めている一般用漢方製剤承認基準という薬局メーカーが漢方薬を作るための基準です。
この基準にある〔効能・効果〕から「せき」を検索すれば、その答えが出てきます。ここでは、次の9種類の漢方薬を抽出しました。
咳、喘息の漢方薬は同じ?
では、誰もが基準となる漢方薬を適当に選んで、咳や喘息が治るのでしょうか?
そんなことはありません。一人ひとりの体質はあまり考慮せず、症状に合わせてお薬を決めるというのは、西洋医学の考え方です。東洋医学を根拠にする漢方薬は、必ずしも「症状=薬」ではありません。
同病異治をご存知ですか。
これは、「同じ病気でも、異なる治療を行う。」という東洋医学の教えです。この教えに沿えば、咳、喘息に悩む患者さんは、一律に同じ漢方薬を使うということはありません。
漢方治療は、表面上の病気を治療するというよりも、その人特有の病気に至った原因を分析し、その原因を取り除くという発想で根本治療を進めるからです。
咳、喘息だからこの漢方薬!と決め付けずに、まずは、咳、喘息に至った原因を探ることが大切になってきます。
ただ、原因を把握するというのはとても難しいことです。病気になった時期は何となく覚えていたとしても、ここ数ヶ月間の食事内容、運動で消費したカロリー、睡眠の質などは覚えている方は少ないでしょう。
そこで、原因を探る有効な手段として用いるのが、今の自分の体質を知るということです。体質や気質のことを東洋医学では、証(しょう)と呼んでいます。
この証は、私たちの過去の生活習慣の積み重ねからできていますので、ある時点の証を見出すことで、その病気に至った原因をも読み取ることができるのです。
現在の状況から、過去の原因を見出すのです。
はじめに、証の決め手となる4つの重要な要素を確認しておきます。
この歪んだ状態を、うち漢方では、「8つの証」に分類しています。

不足している状態は次のとおりです。
証に合わない漢方薬を服用すると、効かないどころか、副作用を起こす可能性があるので注意が必要です。
また、証は一つとは限らず複数が同時に現れることがあります。また時間の経過とともに、証は変化していきますので、漢方薬も証の変化に合わせて変えていく必要があります。
証については、次の動画で、うち漢方の専属薬剤師である「堀口和彦先生」が詳しく解説しています。お時間のあるときにご覧いただければ、深いところでご理解いただけるかと思います。
咳、喘息の証
ここからは、咳、喘息に効く漢方薬について、証ごとに具体的にご案内していきます。内容は、堀口先生へのインタビュー結果をまとめたものです。
咳、喘息の漢方薬を選ぶ際には、注意しなければならない点があります。
それは、体質をしっかり見極めて薬を選ばないと、咳が止まらなくなったり、苦しくなったりするということです。
実は、同じ咳が出る人でも、2パターンあります。
①陰虚タイプの咳、喘息
体の中の水分が少ないタイプです。
やせていて、皮膚が乾燥してかさかさしている感じがします。秋や冬などはより乾燥してきます。
そういう方には、こちらの漢方薬がおススメです。
②湿痰タイプの咳、喘息
湿り気が多い人がこのタイプです。
また、体に熱を持てていないことから体が冷えています。ぽっちゃりむくんでいるのが特徴的です。痰が多く出たり、鼻水が多く出ることもあります。こういうタイプの方は、余分な痰や鼻水を外に出したいという体の自然の欲求から、咳を出すようになります。
このタイプの方には、こちらの漢方薬がおススメです。
③湿熱タイプの咳、喘息
体に湿り気と熱を持っているタイプです。
体内の炎症が強く、熱っぽい感じがしたらこのタイプになります。鼻炎、器官の炎症、連続した咳がでるのも特徴です。痰も粘っこく量は多いです。
そういう方には、こちらの漢方薬がおススメです。
④気滞タイプの咳、喘息
小児喘息など、子供に多いタイプです。
また、ストレスなど精神的な作用で喘息が出る方も、このタイプです。天気の変化をいち早く感じます。天気は自律神経が乱れる要因にあり、器官が一時的に収縮して咳が出やすくなります。
そういう方には、こちらの漢方薬がおススメです。
証は一つでない
あなたの証が、上記のように一つであれば、漢方薬も処方しやすくなります。
→ご自身の証を確認したい場合は、体質チェックをお試しください。
ただ、これまでのうち漢方の患者さんの「証判定の結果」をみると、一つの証に分類できない例が目立ちます。また、咳、喘息だけでなく、複数の症状やお悩みをもっている方が多いことがわかりました。
私たち人間は、一人としてまったく同じ悩みや証を抱えていることはありません。だから、本当はあなたに合った漢方薬は、これとこれ!とお決めするのが、治療を行う側の役割なのでしょう。
しかし、そうは言っても、お一人ずつの相談をうかがって先生が漢方処方をしていくとなると、「相談料」や「カウンセリング料」が発生してしまいます。
そこで、何とかご自身で見つけられる方法はないかと考え、実際にあったご相談例と、堀口先生が処方した漢方薬を、個人情報をしっかり保護した上で「公開」することにしました。
あなたのお悩みの症状や証に近いご相談事例があれば、そこで処方された漢方薬が参考になろうかと存じます。
咳、喘息の相談例
では具体的に、相談内容、先生の解説、処方の漢方薬などをご紹介していきます。
なお、証判定の結果や、詳しい相談内容をご覧になりたい場合は、各相談者の表題にリンクを貼っていますのでご覧ください。
47歳男性(気虚・陽虚・血虚)の例
〇ご相談内容
気管支喘息と診断され、病院から薬を処方されても咳が数ヶ月止まりません。 体質改善したいです。
〇先生の解説
証判定の結果を拝見すると、気虚と陽虚、血虚が高くなっています。
下痢しやすいとのことですので、胃腸の消化吸収の働きが弱いようですね。これが気虚を示しています。
これらをふまえて、麦門冬湯と神秘湯をご用意します。麦門冬湯は、のど気管を潤し、咳と痰を鎮めます。神秘湯は、胸や背中の緊張を取り、息苦しさを取り呼吸を楽にします。
〇処方された漢方薬
まとめ
咳、喘息を漢方薬で治したいのであれば、証を間違ってはいけません。
咳、喘息でお悩みの方がなりがちな3つの証と、漢方薬を押さえておきましょう。
①陰虚タイプの咳、喘息
この情報を共有いただけたら幸いです。
堀口先生に漢方処方を依頼するサービス
あなたの証に合った漢方薬は見つかりましたでしょうか?
もしもあなたが複数のつらい症状を抱えていて、治療だけでなく体質改善も進めたいのであれば、漢方薬の選定は慎重に行う必要があります。例えば、漢方の専門家に処方を任せるのも一案かと思います。
堀口和彦先生(経歴)
うち漢方.comの専属薬剤師(昭和38年さいたま市生まれ)
平成7年にさいたま市で漢方専門「光和堂薬局」を開業(院長)、鍼灸治療院も併設
漢方210処方生薬解説、やさしい漢方入門、パプアニューギニアの薬草文化、鍼のエビデンス等の著書
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