おりものに効く漢方薬!どれを選べばいいの?

基準となる漢方薬
まずは、国がお墨付きを与えている月経困難に有効な漢方薬をご紹介します。厚生労働省が定めている一般用漢方製剤承認基準という薬局メーカーが漢方薬を作るための基準です。
この基準にある〔効能・効果〕から「月経困難」を検索すれば、その答えが出てきます。ここでは、次の6種類の漢方薬を抽出しました。なお、「おりもの」では検索結果が出ませんでした。
おりものの漢方薬は同じ?
では、誰もが基準となる漢方薬で、月経困難やおりものに効果が出るのでしょうか?
そんなことはありません。一人ひとりの体質はあまり考慮せず、症状に合わせてお薬を決めるというのは、西洋医学の考え方です。東洋医学を根拠にする漢方薬は、必ずしも「症状=薬」ではありません。
同病異治をご存知ですか。
これは、「同じ病気でも、異なる治療を行う。」という東洋医学の教えです。この教えに沿えば、おりものに悩む患者さんは、一律に同じ漢方薬を使うということはありません。
漢方治療は、表面上の病気を治療するというよりも、その人特有の病気に至った原因を分析し、その原因を取り除くという発想で根本治療を進めるからです。
おりものだからこの漢方薬!と決め付けずに、まずは、おりものが出るようになった原因を探ることが大切になってきます。
ただ、原因を把握するというのはとても難しいことです。病気になった時期は何となく覚えていたとしても、ここ数ヶ月間の食事内容、運動で消費したカロリー、睡眠の質などは覚えている方は少ないでしょう。
そこで、原因を探る有効な手段として用いるのが、今の自分の体質を知るということです。体質や気質のことを東洋医学では、証(しょう)と呼んでいます。
この証は、私たちの過去の生活習慣の積み重ねからできていますので、ある時点の証を見出すことで、その病気に至った原因をも読み取ることができるのです。
現在の状況から、過去の原因を見出すのです。
はじめに、証の決め手となる4つの重要な要素を確認しておきます。
この歪んだ状態を、うち漢方では、「8つの証」に分類しています。

不足している状態は次のとおりです。
証に合わない漢方薬を服用すると、効かないどころか、副作用を起こす可能性があるので注意が必要です。
また、証は一つとは限らず複数が同時に現れることがあります。また時間の経過とともに、証は変化していきますので、漢方薬も証の変化に合わせて変えていく必要があります。
証については、次の動画で、うち漢方の専属薬剤師である「堀口和彦先生」が詳しく解説しています。お時間のあるときにご覧いただければ、深いところでご理解いただけるかと思います。
おりものの証
ここからは、おりものに効く漢方薬について、証ごとに具体的にご案内していきます。内容は、堀口先生へのインタビュー結果をまとめたものです。

おりものに悩んでいる女性が多いようですが、その原因は大きく2つに分かれます。
①湿熱タイプのおりもの
細菌感染がある場合です。
湿熱とは、体内に湿り気があり、熱も伴って炎症が起こっているタイプです。黄色いおりものや、粘り気のあるおりものが出ます。
病院にいくと、抗生物質が処方されます。抗生物質はおススメですが、体に合わないという方もいらっしゃいます。そのような方に有効な漢方薬をご紹介します。
②湿痰タイプのおりもの
水っぽいおりものが出ます。体の中に余分な水分が停滞し、むくみやすく、冷えやすく、特に下半身が冷えやすいタイプです。このようなタイプには、次の漢方薬がおススメです。
③血虚タイプのおりもの
血が不足し、ホルモンの働きが乱れているタイプです。
このタイプは、生理の周期と関係して、おりものが多かったり少なかったりします。排卵日にはおりものが増え、血液におりものが混ざる例があります。
このタイプには、次の漢方薬が有効です。
④陰虚タイプのおりもの
体が弱っているタイプです。虚弱で、特に胃腸が弱く、胃下垂ぎみであまり食べられない方に多いです。また、体も細くて冷えるタイプです。
何となく、もれ出るようなおりものが特徴で、どちらかというと年齢が高い方に多いです。次の漢方薬が有効です。
証は一つでない
あなたの証が、上記のように一つであれば、漢方薬も処方しやすくなります。
→ご自身の証を確認したい場合は、体質チェックをお試しください。
ただ、これまでのうち漢方の患者さんの「証判定の結果」をみると、一つの証に分類できない例が目立ちます。また、おりものだけでなく、複数の症状やお悩みをもっている方が多いことがわかりました。
私たち人間は、一人としてまったく同じ悩みや証を抱えていることはありません。だから、本当はあなたに合った漢方薬は、これとこれ!とお決めするのが、治療を行う側の役割なのでしょう。
しかし、そうは言っても、お一人ずつの相談をうかがって先生が漢方処方をしていくとなると、「相談料」や「カウンセリング料」が発生してしまいます。
そこで、何とかご自身で見つけられる方法はないかと考え、実際にあったご相談例と、堀口先生が処方した漢方薬を、個人情報をしっかり保護した上で「公開」することにしました。
あなたのお悩みの症状や証に近いご相談事例があれば、そこで処方された漢方薬が参考になろうかと存じます。
おりものの相談例
では具体的に、相談内容、先生の解説、処方の漢方薬などをご紹介していきます。
なお、証判定の結果や、詳しい相談内容をご覧になりたい場合は、各相談者の表題にリンクを貼っていますのでご覧ください。
64歳女性(湿痰など)の例
〇ご相談内容
水の様なおりものが58歳ぐらいから出てとまりません。血圧の薬と胃薬をのんでいます。
婦人科では子宮がんは異常なしで萎縮性膣炎といわれました。当帰勺薬散を2ヶ月ぐらい飲みましたが改善しません。水分代謝が悪いのではないかといわれました。去年ごろから量が多くなったように感じます。
菌の感染はありません。アレルギー性鼻炎や花粉症はありません。下痢は揚げ物等を食べた時になるのではないかと思います。
〇先生の解説
萎縮性膣炎とのことで、菌の感染はないですね。
湿痰は一番高く出ています。おりものこの湿痰体質が原因のようです。菌感染がなくアレルギーでもないのに、おりものや鼻水が出ることがあります。
鼻や膣周辺の粘膜から溢れるように、リンパ液がしみ出て鼻水やおりものになるのです。下痢しやすいことも、これと同じ現象で大腸の粘膜から何らかの刺激でリンパ液がしみ出てその水分で下痢になるのです。
〇処方された漢方薬
これらの改善には、五苓散がお勧めです。膣周辺だけでなく大腸の粘膜の水漏れも改善します。
まとめ
おりものを漢方薬で治したいのであれば、証を間違ってはいけません。
おりものでお悩みの方がなりがちな4つの証と、漢方薬を押さえておきましょう。
①湿熱タイプのおりもの
この情報を共有いただけたら幸いです。
堀口先生に漢方処方を依頼するサービス
あなたの証に合った漢方薬は見つかりましたでしょうか?
もしもあなたが複数のつらい症状を抱えていて、治療だけでなく体質改善も進めたいのであれば、漢方薬の選定は慎重に行う必要があります。例えば、漢方の専門家に処方を任せるのも一案かと思います。
堀口和彦先生(経歴)
うち漢方.comの専属薬剤師(昭和38年さいたま市生まれ)
平成7年にさいたま市で漢方専門「光和堂薬局」を開業(院長)、鍼灸治療院も併設
漢方210処方生薬解説、やさしい漢方入門、パプアニューギニアの薬草文化、鍼のエビデンス等の著書
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