漢方薬とは?
漢方薬とは、原料となる
生薬が複数配合された医薬品であり、病気や症状に対処するだけでなく、東洋医学に基づく
体質(証)を考慮したものを服用する必要があります。現在は、厚生労働省が認めているもので294種類、うち漢方ではそのうち
約150種類を主に使用しています。
原料となる生薬は、約80%を占める植物由来のほか、動物や鉱物からできています。例えば、植物では葛(くず)の根を使った「
葛根(カッコン)」、動物ではシカの幼角を使った「
鹿茸(ロクジョウ)」、鉱物では牡蠣の殻を使った「
牡蠣(ボレイ)」などがあります。
漢方薬の起源は、中国であり日本に伝わったのは5世紀で大化の改新のころになります。処方内容は、江戸時代以降に大きく発展し、日本の風土や日本人の体質に合わせて進化してきました。
<漢方通販の注意点>
通販で漢方薬を購入する際の注意点は、カタログデータだけで判断することなく、東洋医学の長けている漢方専門の薬剤師や登録販売者などの意見を事前にお尋ねしてから購入することが賢明です。
同じ症状であっても、一人ひとりの体質や体格、病気に至った経緯などが異なることが多い中、正しい知識なしに自己診断で選ぶのは避けたいものです。
<漢方薬は副作用がない?>
西洋医学と比較すれば圧倒的に少ないと言えますが、体質(証)に合わない漢方薬を服用した場合には、副作用の可能性がありますので注意が必要です。
また、生薬である
甘草(カンゾウ)が原因で起こるカリウム低下によっておこるむくみや不整脈などの症状が出る場合があります。また、
葛根湯(かっこんとう)や
麻黄湯(まおうとう)も、使い方を間違えると過剰な発熱が引き起こされたりすることがあります。
もし何らかの症状が出た場合には、服用を中止して速やかに専門の薬剤師などに相談しましょう。
<漢方薬は効き目が遅い?>
症状によっては、漢方薬は一般的には効き目が遅いと言われることがありますが、 それは、漢方薬が慢性疾患や生活習慣病の治療に加え、自律神経やホルモン免疫力を調整して病気になりにくい体質に改善することにあります。そのためには多少時間を要します。あせらずにじっくりいきましょう。なお、便秘や風邪などの症状を治す漢方薬などは、比較的早期に効き目を発揮します。
<西洋薬との違いは何?>
西洋薬は西洋医学的な見地から、悪いところをピンポイントで治す薬を使用します。漢方薬は、悪いところだけでなく体全体(体質)を良好な状態に持っていこうとする働きの薬を用います。
例えば、胃の調子を整えるのによく使われる
六君子湯(りっくんしとう)などは、抵抗力を高めて風邪をひきづらくする作用があります。私たちが持つ自然治癒力を上手に引き出せらば、複数の症状を同時に解決することも可能なのが漢方薬です。なお、西洋薬との併用も可能ですので、西洋薬の補完として用いることもあります。
<漢方薬で未病を治す>
未病とは、病気が本格的に発症する前の状態のことで、
未病を治すとは、病気になる前にその元を取り去るというものです。このような未病を治す行為に漢方薬はとても効果的です
「何だか調子が悪い」とか、「普段と気分が違う」とか、そんな漠然とした小さな変化が、未病のサインなのです。そのサインを見逃さずに、体質に合った漢方薬を初期の段階で服用することで、自然治癒力の働きに磨きをかけて病気にならないように仕向けることができます。
<日本・中国・韓国の伝統医療>
東洋医学(中国伝統医学)は、古代中国で生まれ、発展過程で朝鮮半島や日本に伝来してきました。中国では「
中医学(中薬)」といいますが、日本では独自に発展して「
漢方医学(漢方薬)」、またお隣韓国では「
韓医学(韓薬)」と言います。3か国とも戦争を挟み西洋医学の進展で一時期衰退した中で、復活を遂げて今日の国内医療を支えています。
<漢方薬の6つの基本理論>
漢方薬の基本理論としておさえておきたい6つのポイントをご紹介します。
①
気・血・水・精(きけつすいせい):気はエネルギー、血とは体内に栄養分を運ぶ血液、水とは血以外の体液、精とはホルモンなどでこれらが私たちの体内を絶え間なく循環しています。
②
陰陽(いんよう):自然界のすべてのものを相反する二つの性質を持つものどうしの相互関係で理解するというものです。例えば、夜と昼、水と火。互いに育て抑制しあいバランスを保っています。
③
虚実(きょじつ):体に必要なものが不足していて体の働きが低下したりしている状態を指す「虚」の状態と、必要なものがたくさんありすぎて過剰な状態を指す「実」の状態に区分して捉えます。
④
証(しょう):東洋医学の体質のことを言い、「気・血・水・精」の4成分の不足や停滞によって8つに分類します。
気滞(きたい)、
気虚(ききょ)、
血瘀(けつお)、
血虚(けっきょ)、
湿痰(しったん)、
陰虚(いんきょ)、
湿熱(しつねつ)、
陽虚(ようきょ)です。
⑤
五行(ごぎょう):すべてのものは「木、火、土、金、水」から成るというものです。この5つは互いに影響しあい、循環し調和を保っています。漢方では、木=肝、火=心、土=脾、金=肺、水=腎の臓器に当てはめて治療を進めます。
⑥
瞑眩(めんげん):漢方薬を服用後に、一時的に起こる悪い症状(例えば下痢や鼻血)の後に劇的に症状や病気、体質が改善することです。難しいのはそれが副作用なのか瞑眩なのかなので、悪い症状が出た場合には自己判断せずに薬剤師などに相談しましょう。
<漢方薬ベスト10>
日本における漢方薬の金額ランキングベスト10です。データは、
日本漢方生薬製剤の2013年の統計資料(生産及び輸入金額)から抽出したものです。
第1位
補中益気湯(ほちゅうえっきとう)
第2位
大建中湯(だいけんちゅうとう)
第3位
柴苓湯(さいれいとう)
第4位
六君子湯(りっくんしとう)
第5位
加味逍遥散(かみしょうようさん)
第6位
麦門冬湯(ばくもんどうとう)
第7位
芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)
第8位
牛車腎気丸(ごしゃじんきがん)
第9位
小青竜湯(しょうせいりゅうとう)
第10位
葛根湯(かっこんとう)
<漢方薬の科学的根拠(エビデンス)>
漢方薬の科学的根拠(エビデンス)が、少しずつではありますが明らかになってきています。例えば、「がん治療」における漢方薬の効果を検討した次の臨床試験に関する事例です。
“
十全大補湯(じゅうぜんだいほとう)や
補中益気湯(ほちゅうえっきとう)など
黄耆(オウギ)を含む漢方エキス製剤が、抗がん剤の副作用を軽減し、抗腫瘍効果を高めることが多数報告されています。”
“肝臓がんの抗がん剤治療に漢方治療を併用すると、患者の生存率や腫瘍の縮小率が高まるという結果も得られています。”
“手術後のイレウス(腸閉塞)の予防や治療に
大建中湯(だいけんちゅうとう)の有効性が報告されています。”
詳しくは、
臨床試験で証明された漢方治療のエビエンスをご覧ください。
<漢方薬の製薬メーカー>
漢方薬の製薬メーカーです。各会社のホームページにリンクをしています。
イスクラ産業株式会社 一元製薬株式会社 大杉製薬株式会社 クラシエ薬品株式会社
小太郎製薬株式会社 三和生薬株式会社 ジェーピーエス製薬株式会社 伸和製薬株式会社 大晃生薬有限会社 株式会社ツムラ 東洋薬行 株式会社栃本天海堂 松浦漢方株式会社 八ツ目製薬株式会社